採用ツールを「別々につくる」ことになっていませんか?
採用サイトをつくる。
会社案内をつくる。
社員の写真を撮る。
採用動画をつくる。
どれも採用活動に役立つツールです。
しかし、それぞれを別々に考えて制作すると、写真では「親しみやすい会社」、Webサイトでは「先進的な会社」、パンフレットでは「堅実な会社」というように、伝える企業像がバラバラになってしまうことがあります。
求職者からすると、
「結局、どんな会社なのだろう?」
という状態です。
一方で、一貫性を意識するあまり、
「採用サイトも必要」
「採用パンフレットも必要」
「採用動画も必要」
と、すべてのツールを揃える必要もありません。
企業の規模や採用人数、成長フェーズによって、必要なものは変わるからです。
採用ブランディングで大切なのは、制作物を増やすことではありません。
誰に、何を伝えるのかを明確にし、今の企業に必要なものを選び、一貫して伝えていくこと。
今回は、写真・Web・パンフレットなどをどのように考え、企業の成長に合わせて活用していけばよいのかをご紹介します。
→「今つくるもの」と「次につくるもの」を考える
「今つくるもの」と「次につくるもの」を考える
① 「何をつくるか」から考えない
「採用サイトをつくりたい」
「会社案内を新しくしたい」
「採用動画をつくりたい」
ご相談は、こうした制作物の話から始まることが多くあります。
しかし、その前に考えたいことがあります。
それは、
「誰に、どんな会社だと感じてもらいたいのか」
です。
例えば、
「若手が挑戦できる会社」
「人を大切にする会社」
「専門性を身につけられる会社」
「地域に根ざして長く働ける会社」
など。
採用したい人物像と、企業が大切にしている価値観を整理すると、伝えるべきメッセージが見えてきます。
写真、Web、パンフレット、映像は、そのメッセージを届けるための「手段」です。
まず制作物を決めるのではなく、
目的 → ターゲット → メッセージ → 手段
という順番で考えることが大切です。
② 写真で「企業らしさ」を視覚化する
採用ブランディングにおいて、写真は重要な役割を持っています。
求職者が採用サイトを開いた瞬間、文章より先に目に入ることが多いのが写真だからです。
例えば「人を大切にする会社」を伝えたいのであれば、社員が並んだ集合写真だけでは十分ではありません。
先輩が後輩に仕事を教えている場面。
社員同士が自然に話している場面。
お客様と向き合っている場面。
ミーティングで意見を交わしている場面。
こうした実際の仕事の中に、その企業らしさが表れます。
だからこそ採用写真は、単なる素材集めではなく、
企業の価値観や文化を視覚化する工程
として考えることが重要です。
③ Webでは「働く未来」を見せる
写真を見て企業に興味を持った求職者は、次に詳しい情報を探します。
そこで重要になるのが採用サイトです。
採用サイトでは募集要項だけではなく、
- どんな人が働いているのか
- どんな仕事をするのか
- どんな考え方を大切にしているのか
- どのように成長できるのか
- 入社後、どんな毎日が待っているのか
まで伝えることが重要です。
写真、社員インタビュー、代表メッセージ、仕事内容、教育制度などを組み合わせ、
「自分がこの会社で働く姿」
を求職者がイメージできるように設計します。
Webは情報を掲載する場所ではなく、求職者が企業を理解していく場所でもあります。
④ パンフレットは「本当に必要か?」から考える
採用ブランディングを考えると、
「採用パンフレットもつくった方がいいのでは?」
となりがちです。
しかし、すべての企業に採用専用パンフレットが必要とは限りません。
例えば、まだ社員数が少なく、年間の採用人数も多くない企業の場合。
採用だけに使用するパンフレットより、
会社紹介・営業・採用など幅広く使用できる会社紹介リーフレット
を制作した方が、活用機会が多い場合があります。
反対に、採用人数が増え、会社説明会や学校訪問、合同企業説明会への参加が増えてくれば、採用専用パンフレットを制作する意味が大きくなります。
重要なのは、
「採用ブランディングだから採用ツールをつくる」
ではありません。
「今の会社に、本当に必要なのか?」
から考えることです。
つくらないという選択も、立派なブランディング戦略です。
⑤ 「同じデザイン」にすることが一貫性ではない
採用サイトとパンフレットの色を同じにする。
同じ写真を使う。
同じキャッチコピーを掲載する。
もちろん、視覚的な統一感も重要です。
しかし、それだけがブランドの一貫性ではありません。
本当に揃えるべきなのは、
「その会社を、どんな会社として感じてもらいたいのか」
という部分です。
例えば「人を大切にする会社」であれば、
写真では、社員同士の自然な関係性を見せる。
Webでは、社員のリアルな言葉を伝える。
パンフレットでは、人材育成や企業文化を端的に紹介する。
表現方法や情報量は違っても、
すべての接点から同じ企業像が伝わる。
それが採用ブランディングにおける一貫性です。
⑥ 一度の撮影を「企業の資産」にする
写真撮影を採用サイトだけのために行うのは、少しもったいないかもしれません。
事前に用途を整理しておけば、一度の撮影で、
- 採用サイト
- コーポレートサイト
- 会社案内
- 採用パンフレット
- 求人媒体
- SNS
- プレスリリース
- 営業資料
など、さまざまな媒体に活用できる写真を撮影できます。
例えば、Webサイトでは横長写真が使いやすくても、SNSでは縦型の写真が必要になることがあります。
パンフレットでは、コピーを配置するために余白のある構図が必要になる場合もあります。
だから撮影前に、
「何を撮るか」だけではなく、「どこで、どう使うのか」まで考える。
そうすることで、一度の撮影が長く使える企業のクリエイティブ資産になります。
⑦ 企業の「成長フェーズ」で必要なものは変わる
採用ブランディングは、一度完成したら終わりではありません。
企業が成長すれば、必要なクリエイティブも変わっていきます。
例えば、創業期や社員数がまだ少ない段階。
この時期なら、
企業写真 + コーポレートサイト + 会社紹介リーフレット
というシンプルな構成で十分かもしれません。
そして、社員数が増え、採用活動が本格化してきたら、
採用ページ → 採用サイト → 社員インタビュー
とコンテンツを充実させていく。
さらに、
- 新しいオフィスへの移転
- 新拠点の開設
- 採用人数の増加
- 新卒採用の開始
- 事業領域の拡大
など、大きな変化が起きたタイミングで、
採用動画を制作する。
こうした考え方もできます。
つまり、
今、全部つくる必要はない。
ということです。
⑧ 「今つくるもの」と「次につくるもの」を考える
企業の今後の計画まで共有できれば、採用ブランディングはさらに設計しやすくなります。
例えば、
現在
企業写真を整える
↓
会社紹介リーフレットを制作する
採用人数が増えてきたら
採用ページを強化する
↓
社員インタビューを追加する
事業拡大・オフィス移転時
新しい職場や社員を撮影する
↓
採用動画を制作する
このように、
「今必要なもの」と「将来必要になるもの」を分けて考えることができます。
これには予算面でのメリットもあります。
必要性の低い制作物に今すぐ予算を使うのではなく、企業の成長に合わせて適切なタイミングで投資できます。
さらに、最初から企業の価値観やブランドの方向性を共有しておけば、数年後に新しい制作物をつくるときも、ゼロからブランドを考え直す必要がありません。
⑨ 採用ブランディングは「点」ではなく「線」、そして「時間軸」で考える
求職者は、一つの媒体だけを見て応募を決めるとは限りません。
求人情報を見る。
企業名を検索する。
ホームページを見る。
採用サイトを見る。
SNSを見る。
会社説明会でパンフレットを受け取る。
社員と話す。
こうした複数の接点を通じて、
「この会社は自分に合いそうだ」
というイメージが少しずつ形成されます。
だから写真、Web、パンフレット、動画を「点」で考えるのではなく、
求職者との接点を「線」として設計する。
さらに企業側には、
現在 → 1年後 → 3年後
という成長があります。
つまり採用ブランディングには、
「求職者との接点」という横の線と、「企業の成長」という縦の時間軸
の両方があります。
この二つを考えながら、必要なクリエイティブを選択していくことが大切です。
KP Lifeが考える採用ブランディング
KP Lifeでは、制作物をたくさんつくることを採用ブランディングだとは考えていません。
写真撮影だけをご依頼いただくお客様も、もちろん歓迎しています。
大切なのは、
「何をつくるか」の前に、「誰に、何を伝えたいのか」を考えること。
そして、
「今、何が必要なのか」
「今は何をつくらないのか」
「次に、いつ何をつくるのか」
まで考えることです。
写真だけで目的を実現できるのであれば、写真に集中する。
今は採用パンフレットが必要なければ、つくらない。
企業が成長し、採用活動が本格化したタイミングで採用サイトを強化する。
オフィス移転や事業拡大を迎えたときに、新しい写真や採用動画を制作する。
写真、映像、Web、デザインを単発の制作物として考えるのではなく、
企業の成長に合わせて、必要なクリエイティブを選び、育てていく。
それが、KP Lifeの考える採用ブランディングです。
次回予告
第8話|採用ブランディング事例編 ― 写真から採用サイト・リーフレットへ
次回は実際の企業事例をもとに、写真撮影のご相談から企業の課題や今後の展開を整理し、写真・Web・リーフレットをどのように一貫したブランドへつなげていったのかをご紹介します。
