― 写真から採用サイト・リーフレットへ
写真撮影のご相談から始まった、現在進行中のブランディングプロジェクト
これまでの採用ブランディングブログでは、写真や動画の役割、採用サイトで伝えるべきこと、そして第7話では「企業の成長フェーズに合わせて、必要なクリエイティブを選ぶ」という考え方についてお伝えしてきました。
今回は、現在進行中のあるプロジェクトをもとに、KP Lifeが採用ブランディングにおいて大切にしている考え方や制作への姿勢をご紹介します。
現在KP Lifeでは、ある企業様の
写真撮影・取材・ライティング・ホームページ制作・会社紹介リーフレット制作
を一貫して進めています。
プロジェクトのきっかけは、営業職の採用写真撮影についてのお問い合わせでした。
そこからお打ち合わせを重ね、企業のことや今後の方向性について詳しくお話を伺っていく中で、写真だけではなく、ホームページやリーフレットも含めて企業の魅力を整理し、一貫して発信していくプロジェクトへと発展しました。
現在、写真撮影・取材はすでに実施し、ホームページは公開に向けた最終調整、リーフレットは文字校正を進めている段階です。
今回は具体的な案件の進行をもとに、
「企業を知るところから、必要なクリエイティブをどのように組み立てていくのか」
その制作プロセスをご紹介します。
制作物ではなく「企業の未来」を共有する
① 最初のご相談は「写真撮影」
最初にご相談いただいたのは、営業職の採用に使用する写真撮影についてでした。
代表者のプロフィール写真。
社員の皆様の写真。
実際に仕事をしている様子。
社員同士がコミュニケーションを取っている場面。
こうした企業写真は、ホームページや採用ページ、会社案内など、さまざまな媒体で企業の第一印象をつくります。
しかし、私たちは「どんな写真を撮るのか」だけを考えて撮影に入るのでは、十分ではないと考えています。
まず知りたいのは、
どのような企業なのか。
どのような業界で事業を展開しているのか。
その企業ならではの特徴や強みは何なのか。
どのような仕組みでお客様と出会い、事業を成長させているのか。
そして、
「誰に、何を、どのように伝えたいのか」
「どんな人と一緒に働きたいのか」
ということです。
こうした背景を理解することで、初めて「何を撮るべきなのか」が具体的になっていきます。
そのため今回も、撮影内容を決める前に、まず企業について詳しくお話を伺うことからスタートしました。
② お打ち合わせから「何を伝えるべきか」を整理する
お打ち合わせでは、事業内容だけでなく、
- これまでの会社の歩み
- 代表者の想い
- 事業の特徴や強み
- 集客の仕組みやマーケティング
- 大切にしている価値観
- 今後目指している会社の姿
- 採用についての考え方
- どんな人と一緒に働きたいのか
などについてもお伺いしました。
ここで大切なのは、制作会社側が企業のイメージを勝手につくることではありません。
企業の中には、すでにたくさんの魅力や価値があります。
ただ、日々その会社で仕事をしていると、それが「当たり前」になり、
「自社の何が魅力なのか」
が見えにくくなっていることもあります。
対話を重ねながら、企業の中にすでに存在している価値を見つけ、整理していく。
そのうえで、写真・Web・リーフレットを通して何を伝えるべきなのかを考えていきます。
③ 写真・Web・リーフレットを別々に考えない
今回のプロジェクトでは、お打ち合わせを重ねた結果、
写真撮影、取材・ライティング、ホームページ制作、採用コンテンツ制作、会社紹介リーフレット制作
を、一つの方向性のもとで進めることになりました。
ここで重要なのは、制作物の数ではありません。
すべてに共通する、
「この企業を、どのように伝えるのか」
という軸をつくることです。
例えば、写真では親しみやすさを表現しているのに、ホームページでは極端に堅い印象になってしまう。
あるいは、リーフレットだけがまったく違うメッセージを発信している。
これでは、企業としての印象がまとまりません。
写真・文章・Web・デザインを別々の制作物として考えるのではなく、一つの企業コミュニケーションとして設計する。
媒体が変わっても、同じ「企業らしさ」が伝わることを目指しています。
④ 撮影前に「どこで使う写真なのか」まで考える
写真撮影についても、単に「良い写真を撮る」ことだけを目的にはしていません。
今回撮影する写真が、
ホームページのトップページで使われるのか。
採用ページで使われるのか。
代表メッセージで使われるのか。
社員紹介で使われるのか。
リーフレットにも展開するのか。
使用目的によって、必要な写真は変わります。
例えばWebでは、コピーを配置できる余白を考えた横位置の写真が必要になることがあります。
リーフレットでは、レイアウトによって縦位置の写真が使いやすい場合もあります。
社員紹介なら、一人ひとりの人柄が伝わる表情が重要になります。
そのため、
「何を撮るか」だけでなく、「どこで、どう使うのか」まで考えて撮影する。
写真撮影を単発で考えず、その先のクリエイティブまで見据えることで、一度の撮影をさまざまな媒体で活用できる企業のクリエイティブ資産にしていきます。
⑤ 取材によって、写真では見えない魅力を言葉にする
写真撮影と並行して、取材・ライティングも行いました。
写真には、一瞬で人柄や職場の雰囲気を伝える力があります。
一方で、
「なぜこの事業を始めたのか」
「どんな想いで会社を経営しているのか」
「これからどんな会社を目指しているのか」
「社員にどのように成長してほしいのか」
といったことは、写真だけでは十分に伝えることができません。
そこで取材を通して、企業の中にある考え方やストーリーを言葉にしていきます。
写真で感じてもらい、言葉で理解してもらう。
この二つが揃うことで、企業の姿がより立体的に伝わるようになります。
そして、もう一つ大切にしていることがあります。
それは、取材やお打ち合わせを通して見えてきた
「この企業が、これからどこを目指しているのか」
という方向性を、カメラマン、ライター、Web、デザイナーなど、制作に関わるチーム全員が共有することです。
それぞれが別々の解釈で制作するのではなく、同じ方向を見ながら、それぞれの専門分野で表現していく。
一貫したブランディングには、この共通理解が欠かせません。
⑥ ホームページでは「企業全体」を伝える
現在、ホームページは公開に向けた最終調整を進めています。
今回のホームページでは、単に事業内容を紹介するだけではなく、
「どんな会社なのか」
まで伝わることを大切にしています。
事業内容、代表者のメッセージ、会社の歩み、企業として大切にしている価値観、会社の強み、そして採用情報。
それぞれを別々の情報として掲載するのではなく、一つの企業ストーリーとしてつなげていく。
採用目的で訪れた求職者にも。
サービスについて知りたいお客様にも。
取引を検討している企業にも。
それぞれの立場から、
「この会社は、こういう考え方を大切にしている会社なんだ」
と理解してもらえるホームページを目指しています。
⑦ 採用コンテンツでは「働く未来」を見せる
ホームページの中でも、採用情報は重要なコンテンツです。
給与や休日、募集要項だけでは、求職者が会社を十分に理解することはできません。
どんな人が働いているのか。
どんな仕事をしているのか。
どんな雰囲気なのか。
どのように成長していけるのか。
そして、会社はどんな未来を目指しているのか。
写真と取材で得た言葉を組み合わせながら、
「自分がこの会社で働いたら、どんな未来が待っているのだろう」
と想像できる情報をつくっていきます。
これは第6話でお伝えした「入社後のミスマッチを減らす」という考え方にもつながります。
会社を必要以上によく見せるのではなく、その企業が本来持っているリアルな魅力を伝える。
それによって、企業の考え方や目指す方向に共感する人との出会いにつなげていきます。
⑧ 今回は「採用リーフレット」ではなく「会社紹介リーフレット」
今回、もう一つ制作を進めているのがリーフレットです。
現在は文字校正の段階に入っています。
ここでポイントとなるのが、
「採用ブランディングだから、採用リーフレットをつくる」
とは考えなかったことです。
企業の現在の成長フェーズや、今後どのような場面で使用するのかを考え、採用だけに用途を限定するのではなく、会社そのものを紹介できるリーフレットとして制作を進めています。
採用活動にも使える。
お客様への会社紹介にも使える。
新しい取引先やパートナーとの出会いの場でも使える。
一つの制作物を、複数の場面で活用することができます。
すべての企業に、採用サイト・採用動画・採用パンフレットのすべてが必要なわけではありません。
「今、この会社には何が必要なのか」
を考える。
そして、今必要のないものは、あえてつくらない。
これも、第7話でお伝えした採用ブランディングの考え方の一つです。
⑨ 今つくるものと「次につくるもの」を考えておく
今回のプロジェクトも、ホームページとリーフレットが完成すれば、それですべてが終わるわけではありません。
企業はこれからも成長していきます。
社員が増える。
新しい拠点ができる。
事業領域が広がる。
オフィスを移転する。
採用活動がさらに本格化する。
企業のフェーズが変われば、必要なクリエイティブも変わります。
例えば、将来オフィスを移転したときには、新しい職場環境を改めて撮影する。
社員が増えたタイミングで、新しい社員インタビューを追加する。
採用活動がさらに本格化すれば、採用動画を制作する。
そんな選択肢も考えられます。
大切なのは、今すべてをつくることではありません。
「今、何をつくるのか」
「今は、何をつくらないのか」
「次に、どんなタイミングで何が必要になるのか」
まで考えておくことです。
企業の今後の計画まで共有できれば、制作物を単発で終わらせず、企業の成長に合わせてクリエイティブを育てていくことができます。
制作物ではなく「企業の未来」を共有する
今回のプロジェクトは、採用写真撮影についてのお問い合わせから始まりました。
そこからお打ち合わせを重ね、
企業について知る
↓
企業の魅力を整理する
↓
誰に、何を伝えるのかを考える
↓
必要な写真を撮影する
↓
取材によって言葉にする
↓
ホームページへ展開する
↓
会社紹介リーフレットへ展開する
という流れで、現在も制作を進めています。
私たちが大切にしているのは、写真を撮ること、ホームページをつくること、リーフレットをつくること、そのものではありません。
それぞれのクリエイティブを通して、
企業の魅力を、必要な人にきちんと伝えること。
そして企業の現在地だけではなく、これからどこへ向かっていくのかまで共有しながら、
「今、何が必要なのか」を一緒に考えること。
写真だけで目的を達成できるなら、写真だけ。
今は採用リーフレットが必要なければ、つくらない。
そして企業が次の成長フェーズを迎えたときに、次のクリエイティブを考える。
写真・取材・Web・デザイン・映像を単発の制作物として考えるのではなく、
企業の成長とともに、伝え方も育てていく。
今回のプロジェクトは、まだ進行中です。
完成した制作物については、ホームページ公開・リーフレット完成後に、改めて制作事例としてご紹介したいと思います。
次回予告
第9話|採用ブランディングは「つくって終わり」ではない ― 企業の成長とともにブランドを育てる
採用サイトや写真、パンフレットを制作した後、企業の成長に合わせて何を更新していけばいいのでしょうか。
次回は、採用ブランディングを単発の制作で終わらせず、社員数・採用人数・事業拡大・オフィス移転など、企業の変化に合わせて育てていく考え方について掘り下げます。
